北朝鮮は今月16日、金日成主席の誕生100周年（4月16日）を迎え‛光明星3号'衛星を搭載した長距離ロケット‛銀河3号'を来月12～16日に発射する計画を米国との長距離ミサイル発射猶予(2012.2.29)に合意した10日後に発表した。これはミサイル発射発表の底意が疑問に思う理由だ。国際社会は北朝鮮の長距離ロケット発射計画が国連安保理決議1874号に対する違反とし撤回を要求しているが北朝鮮は長距離ロケット発射を強行するものと見られる。　

北朝鮮が衛星を発射する場合、2・29合意が破棄されて、今年の上半期に開催の可能性が高くなっていた6者協議の再開も難しくなるだろう。北朝鮮がこのような事実を把握していないはずがない。 それにもかかわらず、北朝鮮が長距離ミサイル発射を強行する理由は次のように説明できる。


１．労働党代表者会と最高人民会議を通じキム・ジョンウンを労働党総秘書および国防委員長に推戴するための雰囲気を作り上げるためである。

北朝鮮は1998年8月31日‘光明星1号’を打ち上げた5日後、9月5日にキム・ジョンイルを国防委員長に再推戴した事例がある。したがって今回予定されている衛星発射の後4月13日に行われる最高人民会議でキム・ジョンウンを国防委員長に推戴し、続いて行われる党代表者会議で労働党総秘書に推戴する手順を踏むものと見られる。このすべてのシナリオはキム・ジョンウンが直接企画したことで4月を祝祭の場とし、権力継承に有利な雰囲気を作ろうとする意図と見える。北朝鮮は4月15日キム・イルソンの誕生100周年を迎え、4月の春に親善芸術祝電（祝典）を開催し、招いた外国人客だけでも1万人を越えたといわれている。ここに最高人民会議と党代表者会の参加者が集まって衛星打ち上げまですれば平壌は祭りの雰囲気に包まれるだろう。


２．金日成主席誕生100周年を'強盛国家進入'宣言のための道具として活用するということだ。

北朝鮮の朝鮮総連機関紙‘朝鮮新報’は"光明星3号衛星発射は2012年‘強盛大国の門を開く’という構想を既存の時刻表通りに進行される計画"と主張した。すなわち衛星打ち上げの計画はすでに構成されていたということだ

新聞によると北朝鮮は1980年代から人工地球衛星を打ち上げるための研究開発事業を進行してきており、その過程において初めての試験衛星‘光明星-1号'を発射し(1998.8)、その後約10年間の研究成果に基づいて‘光明星-2号’を発射したという。そして、これは北朝鮮の国家宇宙開発展望計画の1段階目標として経済発展に必須である通信、資源探査、気象予報などのための実用衛星を打ち上げてその運営を正常化するということだという。

北朝鮮の国力を誇示する人工地球衛星の発射計画は強盛国家建設と関連しており‘光明星2号'発射直後の2009年の太陽節(4.15)に平壌にてキム・ジョンウン主導で盛大な花火が開催されたことは2012年慶祝行事の‘試演会’(労働新聞)として評価されていると説明した。 北朝鮮は2011年11月28日朝鮮中央通信社白書を通じて光明星3号発射を予告していた。 白書で北朝鮮は"宇宙の開発利用は21世紀の世界的傾向になった"として"地球上のすべての国々が宇宙への進出、宇宙開発の権利を堂々と行使している"と明らかにしていた。


３．‘光明星3号’発射はキム・ジョンイルの革命遺産を守って遺勳を貫徹するためである。

今年、北朝鮮が新年共同社説で強調した点は‘キム・ジョンイルの革命遺産’という概念だ。 それは‘人工地球衛星(長距離ミサイル)の製作および発射国の自慢、核保有国の尊厳、知識経済時代の新世紀産業革命、民族の精神力’だ。 南側、すなわち韓国にはないものを北朝鮮だけが持っているということだ。

北朝鮮において‘人工地球衛星’は光明星1号(1998年8月31日発射)と光明星2号(2009年4月5日発射)である。事実上の長距離ミサイルである。 国際的には失敗とされているが北朝鮮は‘自らの技術で開発して宇宙軌道に進入させた’と主張している。北朝鮮が人工地球衛星打ち上げを最初のキム・ジョンイル遺産としたのは、今年10月に予定された韓国の‘ナロ号’発射を狙ったものだ。 体制競争の野望が蘇ったのだ。 [関連記事中央日報2012年1月14日コラム]

次に、北朝鮮は2012年4月の衛星発射が"キム・ジョンイルの遺勳を‘一寸の譲歩も一寸の遅れもなく’貫徹していくキム・ジョンウン最高司令官の意志が対内外政策に具現されたこと"とし、2月29日に開催された米朝間会談も平和保障体制を構築するための‘遺勳貫徹’に基づいて進行されたと主張している。 特に米朝間長距離ミサイル発射の暫定猶予協定と人工衛星発射は別の問題だとし、米国の反対にもかかわらず強行する意志を示した。


4. 核兵器運搬手段である長距離弾道ミサイル能力を拡張、開発し米国との交渉力を高めようとするためである。

2004年7月4日、米国の独立記念日に北朝鮮は7機のミサイルを東海岸で発射した。発射した7機の中で1機は北朝鮮第2自然科学院所属の科学者が開発した米国本土まで飛距離を延長した新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)であった。そして残り6機は在来式ミサイルであった。

北朝鮮国防大学出身の北脱出者によると、当時北朝鮮は発射後40秒で爆破した長距離ミサイルに対する責任を問い関連する幹部らを解任し、キム・ジョンイルの指示で中央党軍需工場部が直接介入して飛距離6000kmの光明星2号の開発に着手したという。 当時光明星2号ロケット製作に参加した国防大学教授は研究チームが飛距離6000kmに成功して米国本土まで到達することができると学生たちに話していたという。 北朝鮮は光明星2号が3200km地点で墜落したが内部的には発射したミサイルが6000km飛行したと宣伝していた。

光明星2号ミサイルは3段式ロケットであり、大気圏進入には成功したが3200km地点で墜落した。 北朝鮮は2009年に2段式ロケットで6000km以上の長距離ミサイル発射に成功したイランの技術をモデルとして光明星3号を製作したと伝えられている。 北朝鮮が光明星3号発射計画を発表し、外国の専門家たちまで招請したことは発射成功を確信しているという証拠である。 金日成総合大学力学部テ・キフン教授は“試験衛星と実用衛星は大きさと重さにおいて違いが生じる。 実用衛星を設定した軌道上に進入させるというのはそれだけ運搬ロケットの能力が向上していることを如実に示している"と3月21日、朝鮮新報のインタビューで明らかにした。

今回強行することになる北朝鮮の長距離ミサイル発射は国内で業績と能力がないキム・ジョンウンが党総秘書と国防委員会委員長としての地位を正当化することを後押しするであろう。北朝鮮は国際社会が北朝鮮の衛星発射を不法とし‘迎撃’論を論じると、光明星2号打ち上げの全権を委任されたキム・ジョンウンが‘反打撃司令官’として“敵が迎撃に出てくれば本当に戦争をしようと決心”したというエピソードを伝え‘強盛国家建設’の時刻表に従う2009年4月の衛星発射は戦争を覚悟しても保障しなければならない計画であると主張している。 したがって、2012年‘強盛国家’への門を開くため、光明星3号発射で譲歩はありえないと強弁している。 このような理由で北朝鮮は国際社会での憂慮があるにもかかわらず、長距離ミサイル発射を強行するものと見られる。

統一ビジョン研究会事務局長 金明成

 

번역=나카무라 슈토  shuto0715@hanmail.net

<저작권자 © 유코리아뉴스, 무단 전재 및 재배포 금지>